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日本では、成人の3~4人に1人が高血圧といわれています。まさに国民病ですが、高血圧の人すべてが治療を受けているわけでもないとも考えられています。高血圧の診断に利用される指標が、収縮期血圧と拡張期血圧です。健康診断では、原則として2回の測定値の平均をとります。

収縮期血圧と拡張期血圧

心臓から送りだされる血液の量と、血管の硬さで、血圧が決まります。ポンプのように心臓が働いているところを想像すると、わかりやすいかもしれません。心臓が収縮するときは、血管内の圧力が最も高くなります。これが「収縮期血圧」で、一般に「上の血圧」と呼ばれます。心臓が拡張するときに最低となる「拡張期血圧」が、いわゆる「下の血圧」です。

血圧が上がるのはなぜ?

血圧は日常生活でも上下することが知られており、喫煙や食事などが原因で血圧は上がります。例えば、激しい運動をすると、心臓から送りだされる血液量が増え、血圧が上がります。また、暖房のきいた部屋から急に戸外へ出ることで血管が収縮し、血圧が上がります。睡眠不足やストレスも血圧を上げる原因となります。健康診断では緊張して、ふだんより血圧が高めになってしまうことも想定されています。
問題となるのは、一時的に高い血圧ではなく、安静時にも血圧の高い状態が続く高血圧です。例えば、塩分の多い食事が習慣になっていると、腎臓が水分を十分に排出できずに、全身の血液量が増え、高血圧の原因になりやすいとされています。
日本には、日本高血圧学会による「収縮期血圧140mmHg以上」か「拡張期血圧90mmHg以上」という高血圧の診断基準があります。しかし、各機関で正常とされる値には幅があり、収縮期血圧が120~129mmHg、拡張期血圧が80~84mmHgともいわれています。一人ひとりのライフスタイルにもよりますが、基準値以下であっても安心はできないといえそうです。

高血圧が起こしやすい合併症と治療費は?

高血圧の人の血管は、圧力が高い状態が続き壁が傷みやすくなっています。心臓の仕事量も増え、動脈硬化が起こりやすくなります。高血圧を放っておくと、さまざまな合併症を起こしかねません。自覚症状のないまま突然死に至る危険性や、一命をとりとめても後遺症の治療が必要となる場合もあります。

脳卒中(脳出血・脳硬塞・くも膜下出血)
脳の細い血管が突然破裂して起こる脳出血、脳の血管が血栓で詰まる脳硬塞、脳の表面をおおう膜のひとつである「くも膜」の下に出血があるくも膜下出血では、言語障害や身体の片側などの後遺症が出る可能性があります。脳卒中の診療日数の平均は入院26.6日、外来4.2日で、医療費総額の平均は入院187.6万円、外来5.3万円と高額です。
心肥大、心不全、狭心症・心筋梗塞
心臓の壁が厚くなるのが心肥大で、進行とともに心臓の働きが低下、心不全の原因ともなります。心臓が固くなった状態が心不全で、動悸や息ぎれが起き、呼吸困難で生命にかかわることもあります。冠動脈に動脈硬化が進むと、狭心症の発作が起こりやすくなります。血栓で突然血の流れが止まるのが心筋梗塞です。胸の激痛が15分以上続き、ショック状態に陥ります。最初の発作で3割の人が亡くなるほど危険な病気です。心筋梗塞の診療日数の平均は入院14.2日、外来4.6日で、医療費総額の平均は入院179.5万円、外来6.8万円と高額です。
腎障害・腎不全など
腎臓の働きが低下すると、人工透析が必要になる場合があります。人工透析には、週に3回ほど通院が必要で、1回につき4~5時間も時間を費やすことになります。
大動脈瘤、大動脈解離
大動脈瘤は、心臓からの血液が一番はじめに通る大動脈にこぶができる病気です。破裂するまで気づかずに突然激痛に襲われたり、死に至ることもある大変危険な病気です。

このように、高血圧は医療費のかさむリスクが大きく、健康年齢が高くなってしまうのです。
(健康年齢算出のしくみ)

血圧を下げるには?

血圧の高い人は生活習慣の見直しが必要です。薬に頼らず血圧を低く保つには以下の点に注意しましょう。なお、値によっては、医師の指導の下、投薬による治療が必要となります。

  • 食事でとるナトリウム量を減らす
  • バナナやアボカドなどカリウムが多い食品をとる
  • 喫煙をやめる
  • アルコールを適量にとどめる
  • 毎日30分以上、定期的な有酸素運動(ウォーキング、スロージョギング、サイクリングなど)を行う
  • 通勤や家事など日常で、こまめに運動する
  • 記載内容が必ずしもすべて正しく、すべての方に当てはまるわけではありません。予めご了承ください。