中性脂肪が高い人必見!4つのタイプ別食事攻略法

Special Column #01
食生活から中性脂肪が
高くなる原因を探ってみましょう

血液検査表の「中性脂肪値」または「血清脂質」という項目の「トリグリセライド(TG)」の値が「中性脂肪」を表しています。血液中の中性脂肪の値が150mg/dl以上になると「高トリグリセライド血症」とされ、「中性脂肪が高い」と言うことになります。メタボリックシンドロームの診断基準にもなっているので引っかかっていたら要注意です。

ですが、そもそも中性脂肪とはどんなもので、高いとどうなってしまうのか、ご存知でしょうか?
中性脂肪の役割は、私たちが生きるために必要なエネルギー源です。必要不可欠な栄養素ではありますが、摂りすぎると内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられて肥満を招き、生活習慣病を引き起こす原因となってします。
では、中性脂肪が高くなってしまうのは、なぜなのでしょうか?(※1)

中性脂肪が高くなってしまいがちな食習慣の4大タイプ

中性脂肪が高くなる主な原因のひとつとして、普段無意識にしてしまっている食習慣に問題があることが考えられます。次に挙げる4つの食習慣に、当てはまるものはありませんか?もしかしたら、その習慣に中性脂肪を高めてしまっている原因が潜んでいるかもしれません。

お酒が大好き or 飲む機会が多い
大酒飲みタイプ

ストレス解消にお酒が欠かせない、つい飲みすぎてしまいがち、仕事の付き合いで飲み会が多い、など飲酒の量や頻度が多い自覚がある方は「大酒飲みタイプ」の食事攻略法を試してみてください。実は、アルコールと中性脂肪には密接な関係があるのをご存知でしょうか?手遅れになる前に、できることから取り組んでみましょう。

「大酒飲み」タイプの注意点

お酒のおつまみとして、唐揚げやポテト、餃子など、つい脂っこいものに手が伸びてしまうことはありませんか?脂ものの食べ過ぎは、中性脂肪を高める原因となります。しかし、問題はそれだけではありません。アルコールの摂取量に比例して、肝臓での中性脂肪の合成も増加してしまうのです。これが脂肪肝の原因にもなることが明らかになっています。お酒の飲み過ぎは、ダブルの原因で中性脂肪を高めてしまいかねません。(※2)

実践すべき食事攻略法

「大酒飲みタイプ」の方に気をいただきたい欲しいのは、飲む量とおつまみ選びです。
お酒を飲むこと自体は必ずしも悪いことではなく、適量の飲酒であれば、善玉(HDL)コレステロールが増加するため、脳血管障害・虚血性心疾患の発生率を低下させるといわれています。
アドバイスはシンプルで、飲み過ぎなければ良いのです!1日当たりビールなら大瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度までを目安にしましょう。
また、アルコールそのものにカロリーがあるため、つまみなどで揚げ物などを食べたり、〆にラーメンや雑炊、デザートを食べたりすると、カロリーオーバーになりがちです。お酒と一緒食べるおつまみには、枝豆や豆腐、キムチ、串焼き、焼き魚など、なるべくさっぱりとしたカロリーの低いメニューを選ぶと良いでしょう。

甘いスイーツやお菓子が毎日欠かせない
甘党タイプ

疲れたときのご褒美スイーツが欠かせない、だらだらと間食をしてしまう、甘い飲み物を飲む習慣がある、というような甘いものが好きな方は「甘党タイプ」に当てはまります。一見、中性脂肪と甘いものはイメージ的に結びつかないような印象がありますが、実は深い繋がりがあるのです。

「甘党」タイプの注意点

中性脂肪は、肝臓で余分な糖質から合成されます。糖質は、スイーツやお菓子といった砂糖を使った甘いものや、ご飯やパン、麺類などの主食類に多く含まれています。よって、これらの食品の摂りすぎは、中性脂肪が高くなってしまう原因のひとつと言えます。特に甘いものが大好きな「甘党タイプ」の方は糖質を摂りすぎてしまう傾向があります。コーラやサイダーなどの炭酸飲料や、甘いコーヒーなど、砂糖の入ったドリンクを飲む習慣がある方も注意が必要です。(※3)

実践すべき食事攻略法

「甘党タイプ」の方に気をつけていただきたいのは、間食の量と選び方です。
甘いチョコレートやケーキ、クッキーのような砂糖がたっぷりと入ったお菓子ではなく、ナッツやフルーツなど、なるべく糖質の低いものを間食に選ぶようにしましょう。口さみしい時などに、頻繁に飴やガムを食べる習慣がある方は、食べる頻度を下げたり、ノンシュガーのものに変えてみることから取り組んでみてはいかがでしょうか。飲み物にも忘れずに目を向けて、なるべく砂糖の入っていないものを選ぶとよいでしょう。

ご飯や麺はいつも大盛りor お代わりしちゃう
大盛りタイプ

たくさん食べないとお腹が満たされない、お腹がいっぱいになるまで食べ続けてしまうような大食いの方は「大盛りタイプ」に当てはまります。飲食店でお代わり、大盛りが無料と聞くとつい注文してしまう、つい食べすぎてしまうことはありませんか?そんな時は、こちらの攻略法をぜひ試してみてください。

「大盛り」タイプの注意点

中性脂肪が高くなる原因のひとつに、食べ過ぎによるカロリーオーバー、特に糖質の摂りすぎが挙げられます。低糖質ダイエットが流行しているため、ご存知の方も多いとは思いますが、糖質は、ご飯やパン、麺類の主食に多く含まれています。食べる量を減らすのは難しいと思っているかもしれませんが、満足感をキープしながら糖質を減らす工夫をしてみましょう。(※3,4)

実践すべき食事攻略法

「大盛りタイプ」の方に気をつけていただきたいのは、主食の量です。
ご飯やパン、麺類の量を増やしてお腹を満たすのではなく、野菜や豆類、魚などのおかずを1品プラスしてみてはいかがでしょうか?納豆やもずく、めかぶ、トロロ芋など、ぬるぬるネバネバ系の食材には、糖質の吸収を和らげてくれる”水溶性食物繊維”が多く含まれているので、特にオススメです。また、ご飯の種類が選べる場合は、白米ではなく雑穀米や玄米を選ぶと、自然と噛む回数も増えて、満足感を得やすくうなり、食べ過ぎを防ぐことに繋がります。

毎日お肉を食べたい!お肉大好き
肉食系タイプ

お肉が大好きで、肉料理を食べることが多い方が当てはまるのは「肉食系タイプ」。流行りの低糖質ダイエットを実践しているうちに、お肉中心の食生活になってしまう方も少なくないようです。お肉に偏った食生活にならないような工夫と、お肉を食べる時の種類、部位の選び方を知り、しっかりと攻略法を踏まえた上で楽しむことが大切です。

「肉食系」タイプの注意点

脂っこい食事によるカロリーオーバーは、中性脂肪を高める原因となります。肉食中心の食生活をしている「肉食系タイプ」の方の中でも、トンカツ、唐揚げなどの揚げ物、脂肪がのった霜降り肉の焼肉やステーキなど、脂っこいメニューが好きな方は、特に注意が必要です。(※3)

実践すべき食事攻略法

「肉食系タイプ」の方に気をつけていただきたいのは、メニューの選び方とお肉の種類、部位の選び方です。
まずは、お肉ばかりではなく、お魚も視野に入れてメニューを決めることをおすすめします。背の青い魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸(オメガ3)には、中性脂肪を下げる働きがあります。また、お肉と同じタンパク源となる、大豆製品も上手に取り入れましょう。がんもどきや厚揚げは、食べ応えがあり、お肉代わりにオススメです。それでも、やはりお肉を毎日食べないとやっていられないと言う方は、まずは牛肉や豚肉よりも鶏肉を選ぶ、脂の少ない赤身の部位を選ぶことから始めてみてはいかがでしょうか?(※3,4)

まとめ

中性脂肪が高いことを気にされている方は、ぜひ毎日無意識に繰り返してしまっている食習慣に問題がないか、この機会に見直してみてください。今回挙げた4つのタイプの他にも、中性脂肪を高める原因となることはありますが、今回当てはまるものがあった方は、まずは上記の攻略法を意識して、ひとつでもできることから取り組んでみましょう。

著者プロフィール

管理栄養士:藤橋 ひとみ

I’s Food & Health LABO.(アイズ・フード・ヘルス・ラボ)代表。フリーランス管理栄養士として、商品・レシピ開発、コラム執筆やメディア出演、リサーチ支援、ビジネスコンサルティング等、幅広く活動中。大豆・発酵食品が大好きで、豆腐やおから、味噌などの発酵調味料の魅力を伝える活動を、国内外で行なっている。同時に、東京大学大学院に所属し、医学博士取得を目指して栄養疫学の研究にも取り組んでいる。
ホームページ:https://is-food-health-labo.com/